「お金を落とした!?」そんな時に返還率が上がる3つの対処法

つい、うっかりして。別のことに気をとられて。お酒に酔って。

「お金を落としてしまった!」という経験は、誰しも苦い記憶として覚えがあるのではないでしょうか。

筆者も学生の頃、交通ICカードにチャージする際、横によけておいた1万円を回収し忘れ、置き忘れたまま電車に乗ってしまった経験があります……。

悲しもうが後悔しようが、とにかく、やってしまったことは仕方がありません。今回は、そんな「お金を落としてしまったとき」に返還率を上げる3つの対処法についてお伝えします。

お金を落とした!「落としたお金の状態」で対処が変わる

「お金を落とした!」そう気づいたとき、まず真っ先にすべきことは「どんな状態で落としたか」をはっきりさせることです。

財布をまるごと落としたのか、交通ICカードを落としたのか、それとも現金そのものを落としてしまったのか。落としたことが発覚した瞬間は気が動転していると思いますが、慌てるのは禁物です。

まずは落ち着いて、上記のどのパターンか確認しましょう。なぜなら、どんな状態で落としたかによってその後の対応が大きく変わってくるからです。

財布を落とした場合は、すぐに3種の対処を実行する

財布/交通ICカード/現金のうち、もっとも重大な事態なのが「財布を落とした」とき。

財布にはそのときの全現金だけでなく、各種の保険証や免許証、クレジットカードやキャッシカードなど、およそ生活を送る上で必要不可欠なすべてが入っています。

金銭的ダメージや個人情報の漏洩だけでなく、場合によってはキャッシュカードの不正使用など、恐ろしいリスクを背負うことになるでしょう。

ただし重大な事態だけあって、そのぶん対処のセオリーも十分に練られています。

  1. クレジットカード・キャッシュカードの利用を停止する。
  2. 警察に遺失届を出す。
  3. 利用した交通機関・駅や店舗に連絡して探してもらう。

概ね、以上の3種の対処を行うと良いでしょう。

交通ICカードを落とした場合は、2種のうちどちらか一方を実行

1万円以上のチャージが行われていることもあり、電子マネーとしての使用も可能な交通ICカード。

「ほぼ現金である」と見なすこともできますが、意外にも落としてしまったときに遺失届が出される頻度が少ないのだそうです。

一方、ICカードは持ち主を特定できることが多いため、拾った人が勝手に使っても「違法に取得物を使用した」とバレる可能性も高くなっています。そのため悪用されるリスクが少なく、拾われたICカードが届けられる率は高いのが特徴です。

またICカードは、利用を停止し再発行することも可能。落とした際のチャージ金額や定期の利用状況をそのまま引き継ぐことができます。

ただし本人確認を行うため、偽名や自分以外の名前で記名していると引き継ぎ対応ができない可能性があるため注意が必要です。

  1. 警察に遺失届を出す。
  2. 氏名を伝え、落とした交通ICカードを停止してもらう。

交通ICカードを落としたときは、上記2種のうちのいずれかを行っておけば安心。特に不安であれば2を行うことで、被害を最小限に抑えることができるでしょう。

もっとも絶望的なのが、現金そのものを落としてしまったとき

落としてしまったとき、そのまま戻ってくることがもっとも絶望的なのが「現金そのもの」を落としてしまったときです。

筆者が1万円をなくしてしまったときに強く感じたのが、「現金そのものを、自分の所有物であると証明する手段に乏しい」ということです。

もし自分が落としたと思しき場所に1万円を見つけられたとしても、それは本当に自分が落とした1万円なのでしょうか。何をもって「自分の現金だ」と証明するのか。証明するのは至難の業です。

それは同時に、「拾った現金は、言い逃れできるので使いやすい」ということも意味します。財布は戻ってきたが、中身がすべて抜き取られていた、ということがあるのもこれが原因です。

  1. 警察に遺失届を出す。
  2. 行動を振り返って、なくした場所を探す。

お金を落としてしまったことに気づいたら、上記2点を行うくらいしか、できることがありません。交通機関や駅、店舗などに連絡しても、発見は難しいでしょう。

お金を落した時は望みは薄くとも、やるだけはやっておこう

お金を落とした直後はパニックになり、その後時間が経過するにつれて「見つかる望みは少ないかも……なんであんなミスをしたんだ……」と考えてしまうものです。

ですが、自暴自棄になったり自己嫌悪に陥ったりする前に、やれるだけのことはやっておきましょう。

警察の遺失物センターが発表しているデータを見ると、勇気づけられる意外な事実が読み取れます。

意外と高い返還率。届け出ないのは損

「財布に入っている金額が高いほど、帰ってくる確率が高い」という研究結果が発表され、話題となりました。そのなかでは、生活水準の高さと返還率の関係も論じられています。

該当研究に日本は含まれていませんでしたが、生活水準と照らし合わせると、一般的な諸外国と比較して返還率は高いと考えられています。また現金そのものの返還率も33%と、約1/3の人が落としたお金を取り戻しています。

警察の遺失物センターでは「落し物検索」を提供しているので、簡単にチェックすることも可能です。

確実に帰ってくる保証はありませんが、やらないよりマシ。絶望的なミスが1/3の確率で挽回できるのですから、遺失届は確実に出しておきましょう。

お金を落したら気持ちを切り替えることも大切

手を尽くしても、それでも見つからないこともあります。なんでこんなバカなことをしたんだ……。なくなった金額があれば、アレやコレが買えていたかもしれない……。

落ち込んでしまうのも無理からぬこと。失った金額の高さに比例して、落ち込み度合いも高くなるでしょう。

ですがここまで来たら、「もう、戻ってこないものは戻ってこない」のです。八方手を尽くして、やれるだけのことはやって、それでもダメなことは仕方がない。

むしろ過去のミスに引きずられて現在の自分の精神活動に悪影響を与えるくらいなら、すっぱりと忘れてしまいましょう。そのために有用な考え方を、以下に示しておきます。

「人間の行動的に仕方ないこと」と諦め、教訓にする

人間は、無意識のうちに多くの行動を処理しています。例えば外出するとき。ドアノブをひねる→ドアを開ける→出る→閉める→カギをかける。

習慣化されているため意識はしませんが、実は「外出」だけでも多くの行動の連続です。このとき「つい、カギをかけ忘れてしまう」ことがないでしょうか。

これが起こるのは、「アクションスリップ」という認知行動学で論じられるヒューマンエラーの一つ。一連の行動が限りなく無意識下で習慣化されると、どれか一つまたは複数の行動をうっかり飛ばしてしまうのです。

あるいは、普段と異なる行動を習慣のなかに差し挟むと、その行動そのものを「なかったこと」のように扱うこともあります。

筆者の場合、交通ICカードチャージという習慣を行う際、普段とは違う行動(1万円を少しの間だけ横に置いておく)を行ったことが原因で、お金を落としてしまいました。

「ついうっかり、お金を落とすこと」は、人間である以上仕方がないのです。「認知行動学上、やむを得ない。では、次は落とさないように注意しよう。」と、自身の行動に理解を深め、教訓としましょう。

まとめ

今回は、お金を落としてしまったときの対処法をお伝えしました。最後に、もう一度ポイントをおさらいしておきましょう。

お金を落した時の対処法まとめ
  • 財布/交通ICカード/現金で対処を変える
  • 少なくとも遺失届は出したほうが返還される可能性が高まる
  • 落としてしまったのなら落ち込みすぎず、教訓にすること

以上の3点を覚えておけば、いざというときにも慌てず、心穏やかに最適な対処ができるでしょう。

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