イギリスのEU離脱発表から一夜あけての今日です。
「British(英国:イギリス)」と「Exit(離脱)」の2つを組み合わせた「Brexit(ブレグジット)」なんて造語も造られましたね。
今日はそんなBrexitに関して軽く解説しながら、来週控えている主要経済指標を紹介していきますー。
目次
そもそもイギリスはなんでEUを脱退したかったの?
イギリスのEU脱退に関しては、遠い国の話であんまり関心がなかった!てか離脱してから知った!という人もいると思います。
しかし!
日本にも関係なくない、いや、むしろけっこー関係あることなので、この際に軽く説明しておこうと思います。
そもそもイギリスは、経済的なメリットのあるEUをどうして自ら抜けようとしたのかということですよね。
いろいろ理由が述べられていますが、実際の本音、大きな問題は「これ以上移民・難民を受け入れられない」ということです。
ヨーロッパではほとんどの国において、シリアやイラク、北アフリカからの難民受け入れ問題が生じています。
その中でも特にイギリスは人気国なんです。
それはなぜかというと、イギリスの社会保障がめちゃめちゃ手厚いからです。
正式な手続きを踏んで難民として受け入れられれば、福祉手当という金銭が与えられたり、無料で医療施設を利用できたり、確実に住居が与えられたりと、至れり尽くせりなんですね。
EU加盟国には難民受け入れを拒否できない、という法律があります。
移民についても、特別な理由がない限り拒否できません。
だから、イギリスが移民・難民受け入れを拒否、あるいは制限するには、EUを離脱しなければならなかったということです。
どうしてそんなに難民・移民を受け入れたくないのか?
どうして受け入れが嫌なの?イギリスって冷たいの?
なんて思う人もいるでしょう。
冷たいというわけではないんですが、「ウチもいっぱいいっぱいだから、そんなにたくさん他所者面倒みきれないよ!」ということですね。
具体的にいうと、
- 国民の税負担増加
- 失業リスク増加
- 文化が崩れる
- 治安の悪化
なんて心配ごとがあったからです。
基本的に、難民の衣食住の費用負担は、国の税金から賄われます。
イギリスは、特別裕福な国ではありません。むしろ、財政は弱まりつつあるところです。
自分の国の財政もままならない状態で、本来使わなければならないところに税金が行かず、難民の受け入れ費用になってしまうと。
そりゃイギリス国民が不満を持つのも当然なわけですね。
仕事の面に関しても、難民・移民は仕事をします。
そうすると、もともとあった仕事をイギリス人と移民で奪い合うわけですから、これもイギリス人からしたらたまったものではありません。
さらには、他国の文化が入り混じることによるイギリス古来の文化がくずれたり、治安の悪化などの懸念も叫ばれていたのです。
EU離脱による影響って例えばどんなものがあるの?
いままでは、イギリスはとくにロンドンを中心に世界のマーケットの中心的存在でした。
EU圏であれば自由に取引ができたりしたので、金融機関もこぞってロンドンに支店を構えてたんです。
しかし、EUという盾を失ったロンドンにもはや信頼や利便性はなくなり、支店がドイツなどに移転すると言われています。
それによる失業者は100万人に及ぶと言われていて、かなりの影響ですね。
通過の信頼も落ちちゃう
イギリスの国力の信用低下も発生するので、これからイギリス通過のポンドの価値も低下していくでしょう。
ポンドが弱くなると、イギリスの購買力が低下するわけなので、もろイギリスの景気悪化にもつながります。
これはイギリスだけでなく、EU全体、ひいてはヨーロッパ全体に影響を与えていくことになるでしょう。
日本への影響は?
気になるのは、日本にはどのような影響があるのか、というところですよね?
ヨーロッパが不景気になれば、日本にも悪影響が出る、というのはもうなんとなくわかると思います。
イギリスに進出している日本企業の数は、EUではドイツに次ぐ2位の企業数です。
さらに、日本の対イギリス直接投資の額は1兆7000億円で、これはアメリカに次ぐ世界2位の金額です。
こういった数字だけでも、イギリスの景気が悪くなれば、日本もかなりのダメージを食らうことは理解できるでしょう。
さらに、前述したポンド安、ユーロ安になると、今度は日本の輸出産業にも大きな影響が出てきます。
ヨーロッパからすれば、ポンド安、ユーロ安になると、日本の製品はこれまでより買いにくくなりますよね?
そうすると、日本の対ヨーロッパ輸出が落ち込み、日本経済全体の景気悪化にもつながってくるわけです。
これからどうすればいいの?
離脱が決定したとはいえ、イギリスが正式にEUを脱退するまではそれなりに時間があります。
イギリスもバカじゃないので、もちろん単独でも各国に協調申請を依頼していたり、専用の財政政策などの施策予定があったりします。
それを様子見しながら、いつでも取引できるように準備しておくことですね。
FXや先物なら戦略的に「売り」がとれるので、相場が下がったからといってそんなに悲観的になる必要はないです。
しかし、油断は禁物なので無理はしないようにしましょう。
近くに予定されている経済指標は?
いろいろありますがとくに、
- 6/27日 7:40分頃 ニュージーランドの貿易収支発表
- 6/28日 21:30頃 米四半期GDPの確報値発表
このへんなんかは重要になってきますので、チェックして準備しておきましょう。
それでは。