「ライトニングネットワークって一体なに?」
「どんな仕組みのことをいうの?」
「実装されたら価格はどうなるの?」
あなたはこんな疑問を抱いてるのではないでしょうか?
ライトニングネットワークとは簡単にいっちゃえば、ビットコインの送金スピードをめちゃめちゃ早める超すごい技術です。笑
流石にざっくり言い過ぎましたが、実はビットコインの抱える一番大きな問題を解決できる技術として今大注目されています。
というか、これが実装されなきゃビットコインに将来性はありません。
そこまで言い切れるぐらいビットコインにとっては大事なソリューションなんですよ。
「こんな技術が実装されたら、ビットコイン価格どーなっちまうんだ。。。」
そう思ったあなた、お察しが素晴らしいです。
ライトニングネットワークが実装されたら間違いなくビットコイン価格は高騰するでしょう。
でも、実はそこまでいたるまでにはとても大きな課題があったり…
ということで今回は、そんな今とっても注目されているライトニングネットワークの仕組み、メリットとデメリット、現状の課題点から実装されたらビットコインはどーなるのか?
なんて疑問や悩みにお答えします。
きっとこの記事を読み終えるころにはライトニングネットワークについて友達に説明できるぐらいに詳しくなれていますよ!
目次
ライトニングネットワークとは
ライトニングネットワークでは、オフチェーン上でトランザクションの処理を行ってから効率的なトランザクションのみをブロックチェーンに記録します。
なんて言ってもわかんないですよね。笑
簡単に説明します。
例えばあなたに行きつけのピザ屋さんがあるとしましょう。
週に3回、1ヶ月で12回そのピザ屋さんを利用し、一度の会計を1BTCとして支払いを全てビットコインで行うとします。
すると、ビットコインのブロックチェーン上には、
「あなたからピザ屋へ1BTCの送金」という取引データ(トランザクション)が12回記録されますよね?
それではブロックもすぐにパンパンになってしまいます。
そこでライトニングネットワークでは、オフチェーン上(ブロックチェーンの外)であなたとピザ屋への送金を行います。
つまり、いちいち行われた送金をブロックチェーンに記録しません。
※LN:ライトニングネットワーク
最終的に「あなたからピザ屋へ12BTCの送金」という1回のトランザクションのみをブロックに記録することで、効率化します。
これが、オフチェーン上でトランザクションの処理を行ってから効率的なトランザクションのみをブロックチェーンに記録する、ということです。
なぜライトニングネットワークが注目されているのか
ライトニングネットワークが注目されているのは、それだけビットコインの抱える問題が深刻だからです。
ビットコインの抱える一番の問題…それはズバリ、【スケーラビリティ問題】ですね。
ビットコインのブロックは10分ごとに生成されますよね?
ビットコインは現在世界中で取引されていて、とっても多くの取引データ(トランザクション)がブロックチェーンに記録されています。
もしブロックチェーンのことがわからないという方は、この記事の前にブロックチェーンとは?を理解しましょう。

つまり、今では取引量が増えた影響でブロックがトランザクションですぐにいっぱいになってしまい、それによって送金づまりが発生してしまうってことです。
これをスケーラビリティ問題と言います。
このスケーラビリティ問題によって、
- 送金スピードの低下
- 送金手数料の高騰
などがビットコインの課題となっているんです。
でも今回ご紹介するライトニングネットワークでは、この問題を全て解決できるんですよ。
今すぐにでもライトニングネットワークの仕組みを紹介したいところですが、まずはビットコインが過去にこのスケーラビリティ問題にどう対策してきたのかをご紹介します。
きっとそれを理解することで、よりライトニングネットワークのことが理解できますよ。
Segwitとは
ビットコインの抱えるスケーラビリティ問題を解決する方法として、ライトニングネットワークよりも前に実装されたのがこのSegwitです。
ビットコインはサトシナカモトという謎の人物によって考案されたというのはみなさんおご損じではないでしょうか?
その論文を元にビットコインを開発したのがビットコインコアと言われる開発チームです。
サトシナカモトの論文では、ビットコインのブロックチェーン上のブロックサイズは【1MB】と定められています。
無理にブロックサイズを拡大させてしまうと、ビットコインのセキュリティが弱まってしまう恐れがあったからです。
その意思を尊重したい開発チームは、ブロックのサイズを1MBのまま、どうにかスケーラビリティを解決できないかとSegwitを開発しました。
Segwitは、ブロックサイズをそのままに、ブロック内のトランザクションの容量を小さくするソリューションです。
画像のように、「サッカーボールぐらいの大きさだったトランザクションを、野球ボールに変えちゃえばブロックにいっぱい入るっしょ!」って感じです。笑
実際にこのSegwitの導入でブロックサイズを変更することなく従来の2倍の取引データを収納できるようになりました。
Segwitはスケーラビリティを解決するだけじゃない?
Segwitは、ブロックから取引データ(サッカーボール)を取り出し、ブロックチェーンの外で取引データを小さくして(野球ボールに変換して)元のブロックに収納します。
これこそが、Segwit実装のもっとも大きなメリットであると言えます。
つまり、Segwitが導入されたことでオフチェーン上でデータを分離、格納できるようになりました。
簡単に言えば、ブロックチェーンとは別に土俵が作れたってイメージでしょうか。
まさにSegwitのこの機能こそが、のちに詳しく紹介するライトニングネットワークの実装に欠かせません。
「なんのこっちゃ…」ってかたは、これだけ覚えておいてください。
「Segwitが実装されたら、ライトニングネットワークが実装できるようになる」ってことです。
ちなみにこのSegwitが実装されている代表的な通貨は、ビットコイン、ライトコインとモナコインになります。
なのでもちろん、それぞれのコインでライトニングネットワークは実装が可能です。
逆にこのSegwitに対応しない通貨はライトニングネットワークは実装できないと言っていいです。
ライトニングネットワークの仕組み
ライトニングネットワークで行われる、オフチェーン上での取引の仕組みを紹介していきます。
まず、ライトニングネットワークではあなたとピザ屋でペイメントチャネルを結ぶ必要があります。
ペイメントチャネルは簡単に言えば【送金ルート】を結ぶってことですね。
ライトニングネットワークでは、このペイメントチャネルの中で、送金を行います。
「ペイメントチャネルを結ばないと送金できないの??」
ライトニングネットワークでは、ペイメントチャネルもなく、信用のない相手とでも送金を行うことはできます。
あなたがCさんに1BTCを送金するとします。
しかし、あなたとCさんの間ではペイメントチャネルがありません。
たまたまCさんもあなたと同じピザ屋を利用していた場合、ピザ屋のペイメントチャネルを利用してCさんに1BTCを送金できます。
いわゆるP2Pネットワークというやつですね
ここでのピザ屋を【ライトニング ハブ】なんて言います。
ちなみに1BTCを受け取るには、あなたとCさん2人のカギが必要になるため、ハブ(ピザ屋)がビットコインを持ち逃げできない仕様になっています。
これをマルチシグなんて言いますね。
「送金したい相手のチャネルを周りで持ってる人なんてそんなうまく現れないでしょ…」
なんて思われるかもしれませんが、もしこのハブに銀行や大企業がいたら簡単に送金ができると思いませんか?
もちろんハブには微量の手数料を支払う必要がありますが、0.00000001BTC(1satoshi)しか手数料はかかりません。
実質1円以下で送金が可能ってことですね。銀行の手数料と比べたら激安だと言うことがわかるでしょう。
普通にビットコインを送金する際のマイナーへ支払う手数料なんかより、ライトニングネットワークでは断然やすく送金ができます。
ライトニングネットワークのメリット
ライトニングネットワークには、いくつかメリットとデメリットがありますが、まずはメリットから紹介していきます。
ライトニングネットワークのメリットは、
- 送金時間が短縮
- 少額決済(マイクロペイメント)が可能に
- 手数料が安い
この3つです。
1つづつ紹介していきますね。
送金時間が短縮
たぶんもっとも大きなメリットで、一番期待されているのがこの送金時間の短縮じゃないでしょうか?
その前にまずはビットコインでの送金が現在どれぐらい時間がかかっているかというと、
約7分でした。(実際に僕がウォレットへの送金にかかった時間)
ではライトニングネットワークを使用した場合の送金時間はというと。。。
you’re right, I can’t keep up with the lightning speed, here ya go.
another sticker won’t hurt will it? 😆 pic.twitter.com/X1cmLAkWCp
— Jack Mallers (@JackMallers) 2018年1月18日
実際にライトニングネットワーク開発者のかたが送金を行っています。
それによると、支払い待ち画面から実際に送金完了までが【約1秒】です。
クレジットカードでの支払いよりも早く決済できるってことですね。
手数料が安い
上でも軽く紹介しましたが、ライトニングネットワークでは手数料がかなり安く送金できます。
ブロックチェーン上ではなく、オフチェーンで送金を行うのでマイナーへの手数料が必要ないからですね。
実際にいま、送金時にマイナーへ支払われる手数料は約300-500円ほどです。
ライトニングネットワークではハブへ支払う手数料として0.00000001BTCしかかかりませんから、1円以下の手数料で送金ができます。
少額決済が可能に
ライトニングネットワークでは、マイクロペイメントと言われる少額決済が可能になります。
というのも上で紹介したマイナー手数料がなくなるおかげです。
ビットコインを送金するのに300円とか取られていたら、例えば100円分のビットコインを送金すると手数料の方が送金額よりも大きくなっちゃいますよね。
しかし、ライトニングネットワークを使って送金しても手数料が1円もかかりませんから、5円単位の決済や10円単位の決済にも使えちゃうんですよ。
ちなみにこのマイクロペイメントは、情報コンテンツや動画コンテンツ、漫画コンテンツなどの業界で大きなビジネスメリットがあるんじゃないかって言われています。
ライトニングネットワークのデメリット
ここまで紹介するとライトニングネットワークってビットコインへの最高のソリューションでしかないですよね。
しかし、現実そううまく行くとは僕も考えていません。
ライトニングネットワークには以下のデメリットがあります。
- ハッキングのリスク
- マイナーがへる
- 少額決済にしか向かない
この3つです。
1つづつ解説していきますね。
ハッキングのリスク
上でも紹介したように、ハブはマルチシグによってビットコインを持ち逃げできない仕組みになっていると紹介しましたね。
しかし、ライトニングネットワークではセキュリティ面が実装前から危険視されています。
理由は、ライトニングネットワークでは、送金元と送金先がオンラインの状態でしか送金ができないからです。
これから多くの人がライトニングネットワークを利用する場合、みんなが常にオンライン状態でいると、ネットワークにとんでもない負荷がかかります。
そこにDDOS攻撃と言われるネットワークに負荷をかける攻撃を受けたら、ハッカーは簡単にネットワークの機能を止めることができるかもしれません。
実際にBitPicoと言われる匿名のハッカーによってライトニングネットワークはDDOS攻撃を受けました。
The #bitcoin #LightningNetwork DoS attack/test rumors are true. We did create a network stress tool for LN. The network is operating out of 8 countries running 22 attack vectors in-parallel from ~384 endpoints. Don’t trust; Verify. pic.twitter.com/hfSHVtQo02
— ɃitPico (@bitPico) 2018年4月3日
「ビットコインのライトニングネットワーク(LN)へのDDoS攻撃/テストの噂は本当です。私たちはLNネットワークストレスツールを作成しました。この攻撃は8か国で運用され、384ヵ所から22本の攻撃ベクトルを並行して実行しています。私たちを信用しないように。確認しろ。」
引用元:https://cointyo.jp
この時に意外にもビットコイン開発グループが「ハッキング攻撃によって、課題を見つけることができる」なんて歓迎の姿勢だったのにはびっくりしました。笑
マイナーが減る
ライトニングネットワークが実装されると、マイナー手数料がなくなるということはメリットの項目で紹介しました。
しかし、これはマイナーからしたらたまったもんじゃないです。
要は自分たちの利益が失われるわけですからね。
ビットコインのブロックチェーンはマイナーによって承認作業が行われ、ネットワークが維持されていますが、もしかしたらマイナーが減ってしまうかもしれません。
ん?マイニングでビットコインが維持され1てるの?って疑問に思った方は、こちらの記事に詳しく紹介してあります。

そうなると、ビットコインのネットワークが健全に機能しなくなるリスクがあります。
ちなみに、過去にマイナーはライトニングネットワークの実装によって自分たちの収入が減ることは目に見えてわかっていたため、ビットコインをハードフォークさせて新しいコインを作ってしまいました。
それがビットコインキャッシュです。
となるとビットコインからビットコインキャッシュへ、ハッシュレート(マイニング速度)がかたむくことになりかねません。
大きな金額の決済に向いていない
ライトニングネットワークでは大きな金額の送金ができません。
大きい金額の送金にかかる処理量に対応できないためです。
デジタル通貨業界の情報を提供するDiarの調査によると、数ドル未満の送金の成功率は70%、200ドルの時の送金成功率は1%しかありません。
参考元:https://diar.co/volume-2-issue-25/
なのでライトニングネットワークでは、今後も少額での決済にしか活用できないものとなります。
イメージで言ったらSuicaですね。
ある程度のお金をデポジットしておいて、カンタンな送金をしたい時にだけライトニングネットワークを利用すると言った感じになります。
ライトニングネットワークが実装されたらどうなるの?
ライトニングネットワークが実装されると、間違いなくビットコインの価格は高騰するでしょう。
ちなみにSegwitがビットコインに実装された時のチャートがこちらです。
1BTCあたり約30万円から約40万円まで上昇しました。
ライトニングネットワークは実装テストには成功しているので、近いうちにこんなSegwit実装の時のような大きな高騰が生まれるかもしれませんね。
ライトニングネットワークに関するQ&A
[voice icon=”https://s3-ap-northeast-1.amazonaws.com/ango-production/wp-content/uploads/2018/03/スクリーンショット-2018-03-11-01.41.12.png” name=”サタヒコ君” type=”l”]確かに、銀行なんかがハブになれば大きな影響力をもつかもね。でもハブに支払われる手数料自体がかなり安いよ。[/voice] [voice icon=”https://s3-ap-northeast-1.amazonaws.com/ango-production/wp-content/uploads/2018/03/スクリーンショット-2018-03-11-01.41.12.png” name=”サタヒコ君” type=”l”]手数料が取られるよ。
でも、普通にビットコインを送金する一回分の手数料しか取られないから高額ではないよ。[/voice] [voice icon=”https://s3-ap-northeast-1.amazonaws.com/ango-production/wp-content/uploads/2018/03/スクリーンショット-2018-03-11-01.41.12.png” name=”サタヒコ君” type=”l”]誰でもなれるよ。
マイニングと違って低スペックなPCでもハブにはなれるよ。[/voice]
まとめ
いかがでしたか?
今回の記事をまとめると、
- ライトニングネットワークでは1円以下の手数料で1秒ほどで送金が可能
- 実装テストは成功してるから近いうちに正式に実装される
- 1円単位での送金が実現する
と言った感じです。
少額での決済に使えないことや、セキュリティ面が不安視されていますが、今後の技術開発で克服できるかもしれません。
マイナーへのインセンティブが変更されればネットワークも健全に維持されるんじゃないかなって思ってます。
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