あなたは普段、異なる通貨の交換をしたい時どうしていますか?
例えば、リップルをモナコインに換えたいと思った時、今あなたは取引所で交換していると思います。
しかも、リップル→ビットコイン→モナコインか、リップル→日本円→モナコインという流れで交換しているでしょう。
この交換は仮想通貨取引所という第3者をまたいでいるので、銀行を経由しているのと変わらず、今までの仕組みと同じです。
「いちいち日本円に替えなきゃいけないの面倒だな」
「異なるコイン同士を簡単に交換できないのかな・・・」
きっとあなたもそう思ったことがあるでしょう。
そこで注目されているのが【クロスチェーン】です。
クロスチェーンは仮想通貨の真の力を発揮させる未来を変える技術!
クロスチェーンは異なる通貨の交換を実現してくれるのです。
この記事では、クロスチェーンがどんな技術かだけではなく、クロスチェーンが実装されたら今後の仮想通貨はどうなっていくのかというところまで解説していきます。
目次
クロスチェーンとは
クロスチェーンを簡単にいうと…
クロスチェーンとは一言でいうと、異なるブロックチェーンをまたぐことを指します。
現在、ビットコインとイーサリアムのブロックチェーンは、それぞれ独立しています。
なので、ビットコインからイーサリアムに換金しようと思ったら取引所で行うしかありません。
この時、取引所を経由してビットコインをイーサリアムに替えることになるため、取引所でのハッキングリスクや手数料などの問題があります。
しかし、クロスチェーン取引では、直接ビットコインのブロックチェーンからイーサリアムのブロックチェーンへ通貨を換金できます。
つまり、取引所を介さずにブロックチェーンをつないで通貨の交換ができるということです。
クロスチェーンの仕組み
クロスチェーン取引を実現する技術は「アトミックスワップ」と言います。
アトミックスワップは異なる仮想通貨同士で取引できるシステムです。
全ての取引は、完璧に成立するか、全く成立しないか、そのどちらかしかないようにしています。
ん?どゆこと?って思いますよね。例を出して説明していきます。
AさんがBさんにビットコインを送り、BさんがAさんにライトコインを送る
という取引があるとしましょう。
この時、AさんがBさんにビットコインを送ったのに、Bさんはライトコインを送らずにバックレてしまう可能性がありますよね。
つまりこれは、中途半端な取引になってしまいます。
でも、アトミックスワップでは中途半端な取引は認めておらず、その取引が全くなかったことになります。
なので、Bさんがバックレることはできなくなるんです。
この仕組みのおかげで、全く信頼のない赤の他人にも安全に送金できるようになります。

クロスチェーンでできること
クロスチェーン取引が実現すると、取引所が抱えるセキュリティ上のリスクや手数料などを回避できます。
さらに、クロスチェーン取引を使えば、仮想通貨の乗り換えが簡単にできます。
例えば、ビットコインは手数料が高く送金時間も遅いですが、その代わりに安全性が高いです。
なので、普段はビットコインを資産として保有しておきます。
そして、買い物をした時とか飲み代を払う時とか支払いが必要な時に、小銭をビットコインからライトコインに替えて払うということが可能です。
さらに、お釣りはビットコインに戻すこともできます。
ライトコインは送金スピードが速いので、支払いに便利ですからね。
クロスチェーンのメリットとデメリット
それでは、ここでクロスチェーンのメリットとデメリットをまとめてみましょう。
メリット
- 第3者を介さないからセキュリティ強
- 取引所の手数料がかからない
- 利用用途に応じて好きなチェーンに乗り換えられる
- 相手の信頼がなくても安心して取引ができる
デメリット
- 取引完了までの速度が遅い
- 対応しているコインでしか交換できない
クロスチェーンで注目すべき通貨
今までにアトミックスワップを成功させた仮想通貨は、
ビットコイン、ライトコイン、モナコイン、Decred、Vertcoin、Viacoin
の6個だけです。
一番最初にアトミックスワップが成功したのは2017年9月で、ビットコインとライトコインの交換でした。
まだそれから1年経ってないですからね。
これから増えてくるんじゃないかと思います。
また、クロスチェーン取引に焦点を当てているプロジェクトもいくつか存在します。
まだどちらも開発中?のようですが、これらが動き出したら異なるブロックチェーン上の仮想通貨をより簡単に、そして相手の信頼がなくても交換できるようになりますね。
アトミックスワップが成功した通貨の価格
2018年1月20日にモナコインがアトミックスワップに成功しました。
その前後の価格推移を見てみると、
アトミックスワップ成功後、価格が上昇しました。
約43%の上昇率です。
その後はジリジリと下がっていきましたが、他の通貨でもアトミックスワップが成功したら一時的に価格が上がりそうですね。
クロスチェーン取引の実現の可能性
理想は、全通貨でクロスチェーン取引ができるようになり、どんな通貨でも簡単に替えられることですよね。
ただ、おそらくそれは不可能です。
コミュニティによっては技術的な問題があると思いますし、そもそもブロックチェーンを使っていない通貨もあります。
しかし、異なるブロックチェーンが分断されているこの状況はさまざまな技術の妨げとなっていきます。
なので、仮想通貨同士の交換はできるようになっていくと思います。
クロスチェーンの今後に注目
今後は、dAppsというブロックチェーンを使ったアプリが増えてくることも考えられます。
そうなると、「ブロックチェーンの接続」は必須です。
したがって、最終的にクロスチェーンの実現度が、仮想通貨全体の盛り上げり(価格も含め)に繋がります。
また、取引所を介さず直接交換する方法は、クロスチェーンの他にもあります。
「DEX(分散取引所)」や「サイドチェーン」といったものです。
[aside type=”normal”]DEXとは→運営主体を介さずに、個人間で仮想通貨のやりとりができる取引所のこと
【次世代型の仮想通貨取引所】分散型取引所(DEX)とは何か徹底解説 [/aside] [aside type=”normal”]サイドチェーンとは
→メインとなるブロックチェーンに他のブロックチェーンを繋げて機能の拡張や処理速度の向上をさせる技術、親チェーンからサイドチェーンへの資金の移動ができる [/aside]
これらも仮想通貨市場にとっては大事な技術なので、注目しましょう。
まとめ
いかがでしたか?
今回は、「クロスチェーン」について解説しました。
クロスチェーンは仮想通貨の未来を変える画期的な技術です。
- 第3者がいなくても、相手が信頼できなくても仮想通貨の交換ができるようになる
- 利用用途に応じて、資金をいろんな仮想通貨に替えられる
それが、クロスチェーンです。
異なるブロックチェーンを接続することは重要なテーマとなりますので、ぜひ気にしておきましょう。