第2話 仮想通貨ってなに?なんで価値がつくの?
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ワンポイントコラム
なぜ実在しない仮想通貨に価値がつくのか?
ビットコインを代表とする仮想通貨は「円」や「ドル」とは違い現実世界に実在するわけではありません。
ここでいう「実在」とは「手にとって持つことができる」という意味です。
しかし、現実に仮想通貨は「円」に変換することができます。またその逆も然り。
ではなぜ、「実在しないもの」に価値がつくのでしょうか。
それは貨幣の歴史を紐解くとくことが重要と言えるでしょう。
貨幣の歴史 〜物々交換の時代〜
農耕民族の誕生が1万年前、お金の誕生は4500年前。
人類は5500年もの間、お金なしで生活しており、その間は、物々交換をしていました。
欲しいものを持つ同士が直接会ってものを交換していたわけです。
しかし、これだとものが腐っちゃったり、自分が欲しいものを持つ人になかなか出会えないことがありました。
貨幣の歴史 〜お金の誕生〜
そこで、ものの代わりになる「価値のあるもの」を決めようってことになりました。
その価値のあるものを交換すれば、いちいち物々交換しなくて済みますからね。
初めは、貝、家畜、麦などが交換されるようになりました。
貨幣の歴史 〜コインの誕生
しかし、家畜や貝殻は持ち運ぶのが不便だったり、交換レートが一定じゃなかったりしました。
そこで、コインの誕生です。
紀元前600年頃のギリシャのアテナイで金が普及し、その結果、経済も発展し、人口も急増。
貨幣の歴史 〜コインの価値を下げ、刻印だけを信じる時代へ〜
コインを発行していたローマ帝国は、経済的に苦しくなり、「銀貨の純度を下げる」という策を講じます。
最終的には、銀100%のコインから2%にまで含有率が低下し、刻印が残っただけのコインとなってしまったのです。
結果、コイン自体の価値が低下してしまったので、コインに掘られた「刻印を価値として信じる時代」に突入します。
貨幣の歴史 〜コインから紙幣へ〜
「刻印しか信じらないんだったら、金貨である必要がない!」
そんな思いから、金貨をなんとか作り出そうとしていた錬金術の研究は下火になり、代わりに紙幣が発行されるようになります。
貨幣の錬金術ができるようになったのです。ここから爆発的に経済が発展していきます。
貨幣の歴史 〜金融の誕生〜
大航海時代に金融のシステムの「銀行」や「株式会社」が登場します。
お金を貸して借用書を発行し、その借用書を担保にしてまた新たなお金を発行する、という元金から何倍もの資金を生み出すことに成功しました。
2000年190兆ドルだった総貨幣量は2017年には544兆ドルになりました。
貨幣の歴史 〜現在〜
もともと、豚や鳥や牛など同じ価値のあるものとの交換だった時代から、紙の交換まで4500年の時を経て、現在に至ります。
現在、貨幣の種類は多岐に渡ります。
円やドル、ユーロなどの法定通貨はもちろん、クレジットカードやスイカ、ツタヤのポイントなどの代替通貨、そして、新参者の仮想通貨です。
このように、歴史から紐解くと、「仮想通貨が価値を持つこと」にさほど違和感を感じないのではないでしょうか。
少なくとも私はそう感じています。
