貯金のせいで貧乏に!?そうならないための5箇条を紹介

「老後が心配だし、ちょっとムリして貯金しようかな…。」
「でも、『貯金して貧乏になった』って話も聞くし、どうしよう。」

そのような悩みや不安を抱えている方もいると思います。貯金しなければ資産が底をついて貧乏に。しかし、やり方を間違えると貯金しているはずなのに貧乏になってしまうこともあります。

そこで今回は、「貯金貧乏」にならないための方法や、賢いお金の使い方を解説していきます。そして、以下の「貯金して貧乏」にならないための5箇条について詳しく紹介していきます。

「貯金して貧乏」にならないための5箇条
  • 「死に金」になる貯金ではなく投資を検討する
  • 投資する際は、出所が安定したものや保障があるものを選ぶ
  • 自己投資して給与アップするのも、一種の「投資」と考える
  • 確実な出費とリスクには、ある程度備えることも必要
  • 計画的な消費であれば問題ない

ぜひ今後のマネーライフの参考にしてみてください。

貯金で貧乏」ってどういうこと?

一見すると矛盾するような話ですが、「貯金したせいで貧乏になる」という可能性は、確かに存在しています。

貯金していれば、額面上の貯金額は増えていくのは間違いないことでしょう。しかし、いざ定年退職などで収入が激減すると、あとは「貯金を切り崩す」ことしかできなくなります。

貯金額は、当然ですが、収入がなければ増えることはありません。老後、何年間を貯金で生きていく計算をしていますか?予定より10年以上長生きしてしまったら?貯金は足りるでしょうか。

あるいは、大きな病気をして思わぬ出費がかさむかもしれません。ただ無計画に貯めただけの貯金だと、結果的に貧乏になってしまう可能性すらあるのです。

「貯金」は基本的に「死に金」である

「貯金で貧乏に」という話題の際、もっとも強く意識なければならないのは「貯金は死に金である」ということです。

どういうことかというと、貯金されているお金は基本的に「ただ、銀行に預けているだけ」で、何も生みません。日本の銀行の年間金利は、貯金額を増やせるようにはできていないからです。

本来、自分の自由になるはずだったお金を使わなかったことで、失っているものが確実にあります。それらはすぐには目に見えないものの、次第にボディブローのように影響を与えていきます。

「貯金したこの金は、基本的に何も生まない。私の、安心のためだけのお金なんだ。」貯金する際は、そのように考えておくことが大切です。

「ムリして貯金」だと長続きしない

「貯金しながら貧乏になってしまう」というパターンの一つに、「ムリして貯金する」というものがあります。

「給与の4%を貯金に回す」という話もあるようですが、一種の指標としては使えるものの、あまり必死になって厳守することはない金額です。

ですがそれを真に受けてしまい、「4%分の金額は、毎月ちゃんと貯金しなきゃ!」と息巻いている方がいます。

月収20万円の人にとっての4%と、月収40万円の人にとっての4%では、重みがまったく違います。あるいはもっと月収が低いと、生活するのがやっと、ということもあり得ます。

それなのにムリして決まった金額を毎月貯金に回してしまうと、いつか精神的に張り詰めた糸が切れ、「リバウンド」がきてしまいます。つまり、貯めた金額をすべてパァーっと使ってしまうのです。

娯楽に使ったり必要もないのに新車を買ったり、といった、誰の目にも明らかな無駄遣いで心のバランスをとろうとしてしまいます。

貯金の鉄則は「ムリなく、できる金額から」です。

「結局、浪費してしまう」くらいなら、毎日適度に許される範囲で贅沢しつつ、少しずつできる範囲で貯金していくというのがよいでしょう。

インフレで資産価値が目減りする可能性もある

貯金はあくまで「金額を貯えること」であって「価値を担保すること」ではないという点にも注意が必要です。

「1万円」を貯金したとしても、引き出すときに「1万円の価値が残っているか」は、わかりません。インフレーション(いわゆるインフレ)によって、お金の価値が低下するということが起こりえるからです。

現在は落ち着いていますが、かつて、インフレした通貨単位には定番として「ジンバブエドル」が語られることがありました。

ハイパーインフレによって、100兆ジンバブエドル札が用意されました。ミルクが600億ジンバブエドル。もうよく分からない金額ですよね。

また、コーヒーを注文してすぐに支払わないと、ゆっくり飲んでいる間に値段の桁が変わってしまう。そんな、笑い事ではない事態が本当に起こっていたことがあります。

上記の例は極端な話ですが、「経済は発展するもの」とも言われ、マクロ視点で見ると緩やかなインフレが続くものであるとされています。歴史を振り返れば、明治時代は政府高官クラスでも「年収数百円」でした。

今、頑張って1万円を貯金しても、同等の価値が将来も約束されているわけではありません。

ハイパーインフレは起きないまでも、緩やかなインフレで価値が目減りしてしまう、という可能性があることは覚えておきましょう。

投資したほうが効率が良いこともある

「貯金は、何も生まない死に金である」という話を前段で行いました。しかし、何かに備えて資産を貯めておくことは、決して悪いことではありません。

そのためにオススメなのが「生きた金」として運用できる各種の投資です。以下が、一般的なサラリーマンでも始められる代表的な投資です。

  • 株式投資
  • 個人向け国債
  • 投資信託
  • 不動産投資
  • FX(外国為替取引)
  • 積立NISA
  • iDeCo
  • ソーシャルレンディング
  • 仮想通貨

ここでは、上記のうちいくつかを例として取り上げています。ほかにも気になったものがあれば、ぜひ調べて実践してみてください。

まずは保障がしっかりしている投資を選ぶ

例えば「個人向け国債」は、文字通り個人で債券を購入できるというもの。

「債券」とは国や地方公共団体など投資家から資金を借り入れるために発行するもので、利子つきで返還されるものです。

極めて単純に表現するなら、「国や自治体にお金を貸してあげるから、利子をつけて(貸した金額よりたくさん)返してね」というシステムのこと。

ただの借金であれば貸し倒れのリスクがありますが、相手が国や自治体なので安定感が段違いです。貸し倒れの心配はしなくてもよいでしょう。

また、「積立NISA」は一種の株式投資ですが、これは政府主導の税制優遇措置でもあります。本来、投資によって得た利益は税金の対象になるのですが、積立NISAは税制優遇を受け、非課税であるという利点があります。

つまり、積立NISAでいくら稼いでも、税金に取られることがないのです。

他にも、iDeCoは毎月の給与から自分で掛金を拠出(支払い)して運用する、私的年金の一種。最大の特徴は、iDeCoのために拠出したお金は、給与から引いて考えられるということです。

つまり、月収25万円のうち毎月2万円をiDeCoに支払ったとしたら、給与は25万-2万で23万円とみなされる、ということ。

所得税は累進課税で給与が高くなるほど増えていくので、見かけ上の給与を少なくすることで税金対策にもつながっているのです。

このように、投資を始めたばかりの方は、保障がしっかりしていたり出所が安心できる投資から始めるのがオススメです。

「自己投資」も立派な投資

「投資」というと、投機的に株式や不動産を買って資産運用すること、のように感じる方が多いのではないでしょうか。

ですが、自身のスキルアップや人脈づくりのために行う「自己投資」も立派な投資です。

終身雇用は崩れ、年功序列ではなく実力で収入が決まる現代。ただただ社歴を伸ばせば、給与も伸びるという時代ではないのです。

どんな有名企業からも引っ張りだこになるような高いスキルを獲得すること、希少なスキルを得て希少な人材になること。または、さまざまな人脈をつなげ、イノベーションの起爆剤のような人物になること。

貯金にかまけて自己投資を怠ってしまっては、上記のような得られていたかもしれない昇給チャンスを逃してしまう可能性もあります。

スキルアップして、自分に投資した金額以上に稼ぐというのも考え方の一つです。

子供/病気/ケガ…確定している出費やリスクには備える

ここまでは、貯金にばかり目を向けないほうが良い、という話をしてきました。しかし、「絶対に貯金しておいたほうがいい」というタイミングがあるのは事実です。

それは、あらかじめ判明している出費やリスクに備えるときです。あらかじめわかっている出費の代表例は、やはり「子ども」が挙げられます。

子どもを大学まで送り出すと、生活費や学費などを合計して、およそ3,000万円ほどかかるといわれています。貯金を忘れていると、大事な子どもに十分な教育を与えることができないかもしれません。

また、病気へのリスクヘッジとしての貯金も少しは必要です。

病気やケガのための資金を用意しておけば、保険が降りるまでの期間、他人が大勢いる大部屋で苦しむのか、個室を用意してもらえるのかの分かれ道となるかもしれません。

そして、ある程度の資金があれば、最適な治療や少し高額な最先端医療を受けることも可能です。

子どもがいるなら、成長を見越した貯金や支出プランを予定しておきましょう。病気やケガには、自分がどこまでの対応を求めるかを考えておき、そのために必要な金額を貯めておきましょう。

計画的な消費は自分のためにも社会のためにもなる

経済学者のケインズ(現在のマクロ経済学の根底にあるケインズ経済学の始祖)は、「消費すること」を礼賛しました。

そこには経済を回すため、という意味があったのかもしれません。

ですがそのような引用をするまでもなく、計画的に消費するのであれば社会のためにもなり、同時に自分自身のためにもなっています。

「ムリな貯金をするとリバウンドがある」という話をしましたが、そうならないためにも、適度な消費は必要不可欠。また多少の贅沢も、精神衛生上避けられない自己投資といえるかもしれません。

「社会のために」というよりも、「心身ともに健全に生きていくために」ぜひ計画的に消費していきましょう。そしてもちろん、少しの余裕があれば投資や貯金をするのもまた、健全なことなのではないでしょうか。

まとめ

いかがでしたか?今回は、「貯金して貧乏」にならないために、どのような観点に注意すればいいのかをお伝えしました。

また今回オススメした投資方法は初歩的なものなので、深く学んでいきたい方はぜひ、自分にあったほかの投資も検討してみてください。

「貯金して貧乏」にならないための5箇条
  • 「死に金」になる貯金ではなく投資を検討する
  • 投資する際は、出所が安定したものや保障があるものを選ぶ
  • 自己投資して給与アップするのも、一種の「投資」と考える
  • 確実な出費とリスクには、ある程度備えることも必要
  • 計画的な消費であれば問題ない

将来のことを考え、貧乏になりたくないと思うのは、人間であれば当然のこと。そのためには、少しずつでも勉強して、マネーリテラシーを高めることが重要です。

ここで得た知識を使いながら、貯金に限らずさまざまな選択肢を試し、ぜひ楽しいマネーライフを歩んでください。