みんなはいくら貯めているの?
3限目は、「お金の貯め方」について勉強していきます。
2限目で1,000万円の話をしましたよね?1,000万円というお金は、貯めるのも稼ぐのも、意外と大変だというのがわかったと思います。
しかし実は、みんなの貯蓄額について以下のようなデータがあります。
厚生労働省「平成28年 国民生活基礎調査の概況」によると、1世帯あたりの平均貯蓄額は1,033万円。なんと、貯蓄額の平均は1,000万円を超えているのです。
さらに世代別に見てみると、29歳以下の平均貯蓄額は約155万円なのに対し、30代では一気に増えて約404万円、40代では約653万円、50代では約1,051万円となっています。
あなたの貯蓄額と比較すると、いかがでしょうか。
一部の超お金持ちが平均貯蓄額を引き上げている可能性があることは確かですが、みんな意外とちゃんと貯金しているという事実にびっくりしている人もいるのではないでしょうか。
「給料がなかなか増えないからあまり貯金できていないんだよね…」
「生活費とかいろいろ節約してるけど、意外と貯まらないよね…」
なんて嘆いている友人がいるかもしれませんが、実際はみんな思っているより貯金しています。
「自分だけじゃなくてみんな貯金できてないのか。」
「みんなも貯金してないって言ってるし、まだ貯金とかしなくてもいいかな。」
と油断していると、いつの間にか友人との差がかなり大きくなってしまいます。
上のデータを見ればわかると思いますが、年齢とともにみんな着実に貯金をしていっているのです。
お金を貯めるコツは「先取り貯蓄」
みんな意外とお金を貯めているということを知って、急に焦るかもしれません。でも、焦ったところでなかなか貯蓄ってできるようになりませんよね。
「いつも『節約!節約!』って思っているけどぜんぜん貯まらない…」
「500円玉貯金をやってみたけれど長続きしなかった…」
「節約しなきゃって思ったら飲みにも遊びにもいけない…」
あなたもこのような悩みを抱いたことがあると思います。
そこでおすすめなのが、「先取り貯蓄」です。
先取り貯蓄とは、収入が入ったらまず最初に収入の2割を貯金するという方法。そして、残ったお金でやりくりして生活をするというシンプルな仕組みです。
あなたもこの方法を実践できれば、5年で今の年収分のお金を貯めることができます。
今までうまく貯金ができていなかったあなたは、収入が入ったらそこから住居費や食費、通信費などの支出でお金を減らしていき、残った金額を貯金するという方法を取っていたのではないでしょうか。
収入を一つの川に例えると、川上から川下に向かうにつれて、住居費や食費、通信費や趣味の費用などの様々な支出によって川幅はどんどん狭くなっていきます。

細くなって最後に残った川を貯金するという方法はうまくいきません。様々な支出の状況によっていくら残るかは毎月変わってきますし、多く使いすぎた時には全く残らない場合もあるかもしれません。
さらに、常に「少しでも多くお金を残しておかなくては」という意識が働いてしまうため、飲みに行く時や買い物する時、遊ぶ時でも気持ちよくお金を使うことができなくなってしまいます。
一方で、川の上流で、つまり収入が入ってすぐに2割を貯蓄に回す先取り貯蓄なら、先に貯金のお金を分けているため、最後に赤字にさえならなければ残りのお金全部を使ってもOKです。
ですから、飲み会も楽しく参加できますし、好きなものも貯金をあまり気にせず買うことができますね。
お金が貯まらない家計の特徴は?
貯金がうまくできないのは、「先取り貯蓄」をしていないというだけではありません。
あなたの普段の家計管理についても、どのような仕組みで管理しているのかで、お金が貯まる家計と貯まらない家計に分かれてきます。
特に大きな差が出てしまうのは、結婚してダブルインカムに変わった時。

ダブルインカムになったときにやってしまう、よくない家計管理のパターンは上の「夫婦別財布」と「夫婦共通財布」です。
まず「夫婦別財布」パターンは、それぞれの財布は別のままで、生活費の支払い分担だけを決めるやり方です。この仕組みだと、お互いの収入も貯金額も分からないままです。
ですので、夫婦のお金の使い方や節約への意識がバラバラになってしまします。すると、
「自分はちょっと貯金が少なくても2人いるんだし大丈夫だよね。」
という甘えが出てしまい、いざフタを開けてみた時に、
「え?もっと貯金してくれていると思ったのに….」
なんて結末になってしまいます。
続いで、パターン2の「夫婦共通財布」。これは、結婚と同時にお互いの財布を一つにまとめて管理するパターンです。
実際のところ、この方法が一番お金が貯まります。2人ともお小遣い制になるため無駄遣いできなくなりますし、得意な方がお金を管理すれば無駄な支出をちゃんと抑えることもできます。
そして、完全に財布を共通化させるため、どのくらい貯金があるのかも把握することができますよね。
しかしながら、この「夫婦共通財布」は自由にできるお金が少なくなります。これは、ストレスの原因になりやすいです。
ダブルインカムになった当初は我慢できるかもしれませんが、年を重ねるにつれて次第にストレスが大きくなっていき、喧嘩や離婚などの引き金になってしまう可能性もあります。
では、どのような管理方法が一番良いのでしょうか?
それは、「一部だけ」共通にして管理する「一部共通財布」パターンです。
おすすめは「一部共通財布」

「一部共通財布」パターンとは、お互いの収入の一部を共通財布に収め、残りは別々の財布で管理するやり方です。
上の画像のように、共通財布に入れたお金から、食費や住宅費などの生活費をまかなえば、自分専用の財布に入れるお金は全て自分のお小遣いにできますよね。
また、夫婦の貯金も共通財布のお金から割り当てれば、今いくらお金が貯まっているのかもお互いに把握することができます。
つまり、「一部共通財布」とは、先ほど説明した「夫婦別財布」と「夫婦共通財布」のいいところだけを取り入れたパターンになるのです。
この方法ならば、自分の収入が増えれば、その分自分のお小遣いが増えることになるため、仕事へのモチベーションも高まります。
そして、貯金と支出に関しては、夫婦でしっかり管理することができるため、連帯感も生まれて、ストレスなくお金を貯めることができるのです。
貯金に大切な「節約」の3つのコツ
それでは3限目の最後に、お金を貯める上で大切な「節約」のコツをお教えします。
多くの人が今までに一度は何かしらの節約をした経験があるかと思います。
「節約は、お金をできるだけ使わなければいいんだ。」
「気持ちが大事!とりあえず我慢をしよう。」
このように思っている人もいるでしょう。しかし、節約はただお金を極端に使わない生活をすればいいというものではありません。
その方法だと絶対に長続きはせず、逆にリバウンドして節約をやめた時にいっぱいお金を使ってしまう….なんてことにもなりかねません。
節約はコツを覚えて実践すれば、ちゃんとお金を貯めることができますので、間違ったやり方で節約をしている人は今日から正していきましょう。
1.「金額が大きい」ものに着目する
まずは、お金を制限したり支出を減らしたりできるものを決めるのですが、そこで着目すべきは、「金額が大きい」ものです。
つまり、支出に占める割合の大きいものから優先的に節約できるかどうかを考えていきましょう。
電気をこまめに消したり、節水したりすることも大切ですが、その努力で節約できる電気代や水道代は月に数百円程度です。
一方で、住宅費はやり方次第で月に数万円の節約になることもあります。
どの支出の節約が一番効果的なのかを考える、これが一つ目のコツになります。
2.「効果が持続する」ものを選ぶ
あなたは、節約しようと思ったら何を行いますか?
多くの人は「食費を減らそう!」と、食事制限や頑張って自炊をするかと思います。
しかし、その節約は毎日ちゃんと続けないと意味がありません。もちろん、毎日続けられれば節約になりますが、もっと良い節約方法は他にもあります。
例えば、スマートフォンなどの通信費の節約です。格安SIMなどのスマートフォンに1回変えてしまえば、毎月数千円の節約がずっと続きます。
つまり、1回の努力で節約の効果が持続するということです。したがって、効果が持続しない「変動費」ではなく、効果が持続する「固定費」を選ぶことが節約のコツになります。
3.「我慢がいらない」節約をする
「節約するためには、毎日我慢をしなきゃ!」
そう思っている人も多いでしょう。確かに節約には、多少の我慢は必要です。
ただ、飲み会を断ったり食費を減らしたりするのは、日々我慢しないといけないですよね。
しかし、例えば保険やローンの見直しはどうでしょう。
手続きを行うのは少し面倒に感じるかもしれませんが、一度やってしまえばその後は何も我慢する必要がありません。さらに、食費や交際費に比べて金額も大きく、効果も持続しますよね。
したがって、毎日我慢する必要がない節約を行うようにしましょう。
以上で、3限目の授業は終わりです。お金の上手な「貯め方」が分かりましたでしょうか?
お金を貯めることができたら、次はお金の「使い方」です。お金が使ったら減ってしまうと思い込んでいる人が多いと思いますが、実はお金は使ったら減るというのは間違っています。
お金を使うということはどういうことなのか、次の授業で勉強していきましょう。
この授業のまとめ
- みんな意外と貯金している
- お金の貯め方のコツは「先取り貯蓄」
- ダブルインカムになった時におすすめなのは「一部共通財布」
- お金を貯める節約のコツは「金額が大きい」「効果が持続する」「我慢がいらない」節約
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