「お金を使う=減る」ではない!
それでは4限目は、お金の「使い方」についてです。
お金を使うことはとても大切なこと。しかし多くの人は、「お金を使うこと=お金が減ってしまう」と思っているのではないでしょうか?
これまでの授業で、お金の「稼ぎ方」や「貯め方」を勉強してきましたが、その内容がちゃんと理解できていれば、お金を使うことがどれほど大事なのかが分かるようになります。
実は、お金は使うと増えることもあるのです。
「え、どうしてお金を使っているのに増えるの?」
そう思った人は、次の問題を解いてみてください。あなたの答えはどれになるでしょうか?

あなたがラーメン屋を経営しているとして、その売上を伸ばそうと思ったら、AもしくはCが正解です!
Bの場合は、人件費を削減することで一時的に支出を抑え、手元の資金は増えるかもしれませんが、売上は伸びません。
一方でAの場合は、200円のライスを無料でお客さんに出した結果、新たなお客さんを獲得できたり、一度来たお客さんがリピーターになってくれたりするかもしれません。
またCの場合は、一時的な支出は大きくなりますが、繁華街へ出張営業することであなたのラーメン屋をより多くの人に知ってもらえるかもしれません。
AまたはCの方法ならば、お客さんを増やし、売上を伸ばすことができる可能性があるのです。
でも、上記の問題のように考えると一目瞭然なことも、今の自分の立場に置き換えるとなかなかうまくできませんよね。収入が増えないから、節約をして支出を減らそうと思っているのではないでしょうか?
それだとまさに、ラーメン屋の人件費削減と同じやり方。支出は減るかもしれませんが、収入が増えることはありません。
ではどうすれば収入は増えるのか、その答えは「お金を使う」という方法です。
お金を使うとどうしてお金(=収入)が増えるのか、その仕組みについて詳しく説明していきます。
「投資」or「消費」or「浪費」
お金の使い方は、大きく分けて3種類あります。

買ったものの価値が、支払った金額より大きい場合は「投資」。買ったものの価値が、支払った金額と同等の場合は「消費」。そして、買ったものの価値が支払った金額よりも小さい場合は「浪費」になります。
お金を使ってお金を増やすためには、この3つのうち「投資」になるものにお金を使う必要があります。
もう一度、ラーメン屋の例で考えてみますと、売上を伸ばしたいのに支出を抑えようとしているBは間違いだというのはもう分かっていますよね。
ではAの場合はどうでしょうか。先ほども言ったように、200円のライスを無料でお客さんに出した結果、新たなお客さんやリピーターが増え、200円以上の利益を生むことができたなら「投資」になります。
またCの場合も、繁華街へ出張営業することであなたのラーメン屋をより多くの人に知ってもらえて、購入した屋台代以上の利益を出せたら、屋台代は「投資」になります。
しかし一方で、200円のライスを無料で提供したり、屋台を購入して繁華街へ出張営業したりしてもお客さんが増えなかったら、結果として「浪費」になってしまいます。
つまり、「投資」と「浪費」は紙一重。お金を使った時には、そのお金が投資になるのか浪費になるのか分かりません。
お金を使って「投資」することができればお金を増やすことができますが、それは将来的に利益が生まれることが大前提になるのです。
したがって、「お金を使う」というのは、ただやみくもにお金を使えばいいというわけではなく、お金の「使い方」を勉強し、「投資」になるものにお金を使うことが大事なのです。
「投資」かどうかはすぐには分からない
お金を使う時は「投資」になるものに使うことが大事だと言いましたが、先ほども言ったように、「投資」かどうかはすぐには分かりません。
「この出費は自分への投資だ!」
そう思ってお金を使っている人も中にはいるかもしれませんね。しかし、それは本当に「投資」になっているのでしょうか?
「本を買うのは知識への投資。」
「旅行に行くのは経験への投資。」
「高い服や時計を買うのはやる気への投資。」
「ジムに入会したり高いサプリを購入したりするのは健康への投資。」
「電車ではなくタクシーを使うのは時間への投資。」
このように、自己投資を行うことはとても素晴らしいですが、それが本当に「投資」かどうかは時間が経たないと分かりません。
例えば、自分のスキルアップのためと意気込んでプログラミングスクールを申し込んでも、最初の数回だけしか行かなかったら、結果的にスクール費用は「浪費」になってしまいますよね。
一方で、会社をやめて自由になり、日本一周旅行をすることにしたら、収入は一時的にゼロになりますが、そこでビジネスのヒントを得て起業し、成功者になれるかもしれません。

一時的に収入が大幅に下がったとしても、その後将来的に大きな収入を手に入れることができたとすれば、それは自分への「投資」と言えるのです。
このように、使ったお金が「投資」なのか「浪費」なのかは後にならないと分かりません。しかし、お金を増やすために「投資」することを常に意識してお金を使うことは非常に大切になります。
「投資」を意識したお金の使い方ができれば、結果的に投資にならなかったとしても、大きな浪費になることはありません。したがって、「お金を投資に使う」という考え方がこの授業で一番大切なことです。
この授業のまとめ
- 「お金を使う=減る」は間違い
- お金の使い方は「投資」「消費」「浪費」の3種類がある
- お金を使って増やすには「投資」が大切
- ただし、「投資」かどうかはすぐには分からない
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