今回は『貨幣の「新」世界史』をざっくりと要約してみました。
「お金とは一体何なのか?」
「その本質とは?」
という誰もが気になる内容を経済学、生物学、宗教学など、とにかくあらゆる学問から考察されていて、これだけ幅広い分野でお金について考察されている本は他にないんじゃないかっていうくらいの良書です。
本書の内容が5分でサクッと読めるので、ご興味ある方はぜひ読んでみてくださいね。
目次
どんな本なの?
[amazon_link asins=’415209611X’ template=’Amazon’ store=’ango-22′ marketplace=’JP’ link_id=’21722f78-d391-11e8-9ac6-d14c86a5b0fc’]普段私たちが何気なく使っているお金。あなたはお金についてどれくらい考えたことがあるでしょうか。投資銀行家の著者は、2008年のリーマンショックをきっかけに「お金とは何なのか?」その本質を知りたいという欲求から本書が執筆されました。
また、副題に「ハンムラビ法典からビットコインまで」とあるように、はるか太古の歴史から現代に至るまでのお金と人類の向き合い方について記述されています。
日本を含め世界25カ国以上を訪れ、 調査範囲は脳科学、行動経済学、歴史学、宗教学、古銭学など、広範囲の調査を経て、執筆された内容はまさに「お金の本質に迫る」圧巻の内容となっています。
『貨幣の「新」世界史』と大胆なタイトルに負けない非常に濃い内容で、多くの著名人や、ニューヨーク・タイムズ、フィナンシャル・タイムズなどの主要メディアからも絶賛を浴びたベストセラーです。
著者はどんな人?
カビール・セガール
米電子決済サービス企業ファースト・データ企業戦略担当。元JPモルガンの新興市場部門ヴァイス・プレジデント。アリババのIPO(新規株式公開)などを担当。ダートマス大学、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス卒業。ジャズ・ミュージシャンでもある。グラミー賞を2度受賞している。米海軍予備役、外交問題評議会の任期付会員、大統領選挙戦のスピーチライターも務める
レビュー
本書は、
- 第1部「精神―アイデアのルーツ」
- 第2部「身体―お金の物質的形態」
- 第3部「魂―価値の象徴」
上記3部(計8章)で構成されていて、見たらわかる通り、、、独特です。笑
このように独特な切り口でお金に対して多方面から考察されているのがとても印象的ですよね。
ではさっそく紹介します!
第1部 「精神―アイデアのルーツ」
はるか昔、人類は生存するためには「全てを自分でやろうとするより交換した方が生きていく上で都合が良い」ということに気づき、そこから食物などの交換、いわゆる物々交換の文化が始まったそうです。
「次第に物々交換での限界を感じ、そこで初めて貨幣が生まれたんでしょう?」
と思っている方もいるかもしれませんが、本書ではそうではなく、貨幣が生まれたのは要因は『債務』にあったのではないか、と述べています。
信頼関係のある相手への義務感(相手にしてもらったことに感謝し、その相手が困っていれたら手助けしなければという感情)からくるものですね。
挙げられている興味深い例として日本のお歳暮やお中元、バレンタイン・デーの義理チョコなどがありました。
細かいルールにしたがって贈り物がやりとりされる過程が書かれていて、日本人としてつい興味をそそられてしまいましたね。
第2部 「身体―お金の物質的形態」
ここからはハードマネーからソフトマネーへの移行の歴史からお金の未来へと話が進んでいきます。
貴金属など貨幣そのものに価値があり、全てのものを評価するための基準としてハードマネーという考え方がありましたが、価値そのものが変わりやすいハードマネーではインフレが生じたりと貨幣としての信用面などといった観点では不安視されていました。
そこで「利便性、抽象性、普遍性」の象徴としてソフトマネーへと移行していったんですね。
そして貨幣の将来の姿として、デジタルマネーや代替通貨が挙げられています。
歴史的発明をしながらも身元が不明なことで話題になっている中本哲史のビットコインについても本書で触れられています。
究極的な話ではありますが、頭のなかに埋め込まれた装置で、直接取引が行なわれる可能性もあるとのことです。まさに電脳の世界ですよね。
個人的には半世紀中に実現して欲しいです。笑
第3部 「魂―価値の象徴」
第3部で印象的だったのが宗教とお金の関係について記述されていたことです。
僕含め、日本人の多くは宗教的視点からお金をみることなんてまずないですからね。
具体的にはキリスト教やイスラム教、ヒンドゥー教など、あらゆる宗教がお金をどのように位置付けているのかがわかる内容になっています。
「金儲けは悪なのか?」
「どうすれば社会に役立つお金の使い方ができるのか?」
などといった論点でそれぞれの宗教のお金に対する考え方が述べられていて「なるほど。そういう考え方もあるのか。」と思わされる瞬間がありました。
そして最後の章では貨幣のデザインや形状が何に起因しているのかを過去の政治的状況や人物にフォーカスして書かれていてこちらも興味深いです。
外国の貨幣をそこまでリアルで見たことがないので、貨幣見たさに海外旅行に行きたくなりましたね。笑
まとめ
いかがでしたか?
人生に大きく関わるお金の話なだけあって、興味をそそられる内容が多かったのではないでしょうか。
さらに詳しい内容が気になった方はぜひご自身で読んでみてくださいね。
それでは!
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