今回は『仮想通貨革命』をざっくりまとめてみました。
著者の野口氏は東京大学をはじめとした様々な有名大学の教授を務めた後に、本書に至っていて、博識なだけでなくとにかく伝え方が上手だなというのが印象的でした。
まさに「仮想通貨入門者」向けの良書です。
5分でサクッと読めるので、「この本ってどんなことが書いてあるの?」と、興味がある人はぜひ読んでみてくださいね。
目次
どんな本なの?
[amazonjs asin=”4478028443″ locale=”JP” title=”仮想通貨革命—ビットコインは始まりにすぎない”]ビットコインをはじめとする仮想通貨がいま世界に多大なる変化をもたらしつつあります。
管理主体を持たない仮想通貨が国家という枠組みを超えた存在として、私たちのビジネスや日常生活をも変えうる力を秘めていることに気づいていない人も多いのではないでしょうか。
そんな仮想通貨が普段僕たちが何気なく使っている通貨に取って代わると一体何が起きるのか、そのインパクトを説明するだけでなく、日本経済の課題を指摘しつつも経済や社会がどう変わっていくのかを明らかにしてくれる、そんな内容です。
著者はどんな人?
野口 悠紀雄
1940年東京生まれ。
1963年に東京大学工学部を卒業し、翌年の1964年に大蔵省入省、1972年(当時32歳)エール大学Ph.D.(経済学博士号)を取得。
その後は一橋大学教授、東京大学教授、スタンフォード大学客員教授、早稲田大学大学院ファイナンス研究科教授などを経て、2011年4月より早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問、一橋大学名誉教授になる。
レビュー
全5章の構成です。
章を重ねるごとに濃い内容になるので、2、3章まで読むだけでもビットコインの概要は十分につかめます。
技術本じゃないので仮想通貨の技術的な知識が知りたい方には購入をおすすめしません。
第1章 通貨革命が始まった
1章ではビットコインに関する簡単な紹介がされています。
タイトル通りビットコインが通貨革命を起こしたことやビットコインを使うことで国際送金を代替することができるということ、また、当時話題になったマウントゴックスの破綻とビットコインの関係性や社会全体でのビットコインの取り上げ方について述べています。
まだまだ実生活では浸透していないビットコインですが、将来的には買い物やレストランなど、様々なあらゆる決済をビットコインで行われる可能性があり、現段階でもビットコインの導入を試みる店舗は徐々に増え始めています。
また、ビットコインは手数料が安く、銀行口座を必要としないのが特徴的で銀行振込の代わりにビットコインを代用することで手数料にかかるコストを削減できたり、銀行口座の保有率が低い主に東アジアの人々にとってビットコインはありがたい存在になりそうですね。
第2章 きわめて斬新なビットコインの仕組み
ビットコインを説明する上で欠かせないのが「ブロックチェーン」です。ブロックチェーン技術を用いることでビットコインの存在価値そのものが担保されていると言っても過言ではありません。
2章では、ブロックチェーンを含めたビットコインの仕組みについて最低限理解すべきことを述べています。
ビットコインなどをよく知らない人が仮想通貨について聞かれると「PASMOとかSUICAみたいな電子マネーのもの」と答える人が多いのですが、実はそうではありません。
ビットコインと電子マネーとの違いについてもこの章で触れられていて、読み終わった頃には両者はまるで別物だとしっかり識別できるようになっていますよ。
また、ビットコインを知る上で重要なポイントとして管理主体の存在というのがあります。
日本円で言えば日銀など、通貨には必ず中央銀行のような国レベルでお金を管理している機関があるのが主流です。
ですが、ビットコインにはその中央集権的役割を果たす機関が存在せず、使用者みんなで管理して安全性を保つといったことが言及されています。
第3章 ビットコインに続くもの
仮想通貨といえば「ビットコイン」という印象が強いですが、3章ではアルトコインやリップルといったビットコイン以外の仮想通貨についての事例の説明をしています。
現状でいうとイーサリアムの価格が上昇しつつあるという具合にビットコイン意外の仮想通貨の情報を知っておくことは投機的側面においてもとても重要なことなので、様々な仮想通貨を知ると言う意味でも3章は役立つ内容となっています。
第4章 現代の通貨はどこに問題があるか
4章では
- 通貨
- 貨幣
- 現金
の違いなどといった「お金」に対する根本的な考え方から現代の通貨の問題点について言及していきます。
「貨幣は金属ではなく情報である。」
「日本は振込先進国である。」
と、私たちが普段何気なく使っている「お金」に対する考え方から、日本からの送金コストや企業間による大規模取引などに着目した上で問題点を述べていて、ビットコインを含め、仮想通貨の送金がいかに便利なのかがわかる内容となっています。
第5章 通貨革命は社会をどう変えるか
今後間違いなく世間に多大なる影響を与えるビットコインですが、この章では他の仮想通貨やブロックチェーン技術の解説書には書かれていないような仮想通貨に関する考え方や今後ブロックチェーンがどんな業界にどんな影響を与えるのかを、野口氏ならではの深い観点で言及しています。
仮想通貨が用いられることで小銭を持たなくなったり、個人間でも送金ができて決済方法が楽になるだけでなく、金融機関にも大きな影響をもたらすということが書かれています。
まとめ
いかがでしたか?
実は本書が出版されたのは2014年6月と実に3年前なんです。
ちょっと気を抜いてすぐに時代の流れに置いていかれますので、仮想通貨に限らず情報収集は欠かさず行いましょうね。笑
それでは。
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