8月1日にビットコインが分裂して、新しく”ビットコインキャッシュ”という通貨が誕生したのはまだ記憶に新しいですね。
いろんな波紋を呼びましたが、今のところは結果オーライという状況になっています。
しかし、「今回のビットコイン分裂騒動は結局なんだったのか?」をしっかり理解していない人がとても多く、また「ちょっと誤って理解している人」も多いと感じます。
あなたはどうですか?
そしてさらにあなたに質問です。畳み掛けます。(笑)
「次は今度、来たる2017年11月に再びビットコインが分裂する可能性があることを知っていますか?」
今回の騒動を正しく理解していなかった人は、おそらくこの情報も知らないでしょうし、実際11月に本当に分裂するのかどうか?を予想することもできないはずです。
分裂は投資面から考えても一大イベントなので、この問題に関してはゼッッッタイに押さえておくべきですよ。
そこで今回は8月1日のビットコイン分裂はなんだったのか?を解説しながら、11月の分裂問題に関して解説、予想をしていこうと思います。
ビットコイン、仮想通貨に関わる全ての人が理解すべき内容です。
しっかりチェックしておきましょう。
目次
そもそも分裂(ハードフォーク)ってなに?
まず、「分裂」というのがなんなのかよくわかっていない人も多いと思います。
これは技術的な話になるので、とことん話すとすごく難しくて「意味わからん!」状態になっちゃうので、簡単な概要を理解するくらいで十分でしょう。
まず、分裂とは「ブロックチェーンの分岐を意図的に起こすこと」をさします。

実はブロックチェーンというのはしばしば分岐を起こすのですが、ビットコインは「一番長いチェーンが正しい」というルールがあるのでたまたま分岐が起きても矛盾は生まれず問題はありません。
しかし、そのルールを無視した新しいブロックチェーンを作り、意図的に分岐させていく事も不可能ではありません。
この新たなルールで意図的にチェーンを分岐させることを「ハードフォーク」と言います。完全に別々のチェーンが出来上がった状態ですね。
ちなみに、チェーンを完全に分岐させるのではなく、アップデートする方法を「ソフトフォーク」って言ったりします。
ソフトフォークはよく起きることなのですが、俗にいう「分裂」というのは基本的にハードフォークの事をさします。
超簡単にまとめると、
- 新たな通貨が誕生するようなチェーンの完全なる分岐→ハードフォーク=分裂
- チェーンの単なるアップデート→ソフトフォーク
という事を覚えておけば最低限は問題ないかと。
過去の事例
実際にこのハードフォークは過去にも何回かあります。
一番有名なのは、イーサリアムのハードフォークでしょう。

詳しくは上記を読んで欲しいのですが、ハッキング被害を受けた事により、その事実はなかった事にしようと考えたイーサリアム運営陣がとった行動がハードフォークなのです。
それによりブロックチェーンが完全に分岐し、「イーサリアム」と「イーサリアムクラシック」という通貨が出来上がってしまいました。

現在も、イーサリアムとイーサリアムクラシックという元々は同じだった通貨(チェーン)が別れて、どちらも消えずに存在しているという矛盾した状況が続いています。
当初はすぐに消えると言われていたイーサリアムクラシックなんですが、支持する人、取引所、そしてマイナーの存在により、現在も存在し続けています。
ちなみに勘違いして欲しくないのは、ハッキングをなかった事にするためにコードを書き換えたのはイーサリアムの方で、イーサリアムクラシックの方が元祖イーサリアム(ハッキングという事実が残っている)です。
なので僕は投資という側面ではイーサリアムを支持していますが、信念は完全にイーサリアムクラシックを支持しています。なのでどちらにも投資しています。(これもちょっと矛盾ですね笑)
ちょっと話がそれましたが、今回のビットコインの分裂に関しても、みなさんご存知の通り、このようにハードフォークした事によって起こりました。
8月1日の分裂はなんだったのか?
今言った通り、8月1日はビットコインのブロックチェーンが意図的に分岐されたことによりハードフォークし、コインが分裂しました。
そして誕生したのが「ビットコインキャッシュ」ですね。

では、この8月1日の分裂とは一体なんだったのでしょうか?
詳しくはこちらに書いてあるので何も知らない人は見て欲しいんですが、簡単に流れだけ説明しておきます。
- スケーラビリティ解決案を巡って揉める
- segwit2x登場
- まさかのビットコインキャッシュ登場
大まかな流れはこんな感じです。
1. スケーラビリティ解決案を巡って揉める
まず、ビットコインはもともと「スケーラビリティ問題」が浮上していましたね。容量に限界があるので取引量が増えると渋滞を起こしてしまう問題です。
で、その問題を解決するためにsegwit(データ容量を圧縮する方法)を導入するか、ハードフォークしてブロックサイズを引き上げるか、ソフトフォークするか(アップデート)、などなどのいろんな案を巡って中国のマイナー、その他マイナー、コア開発者がもめていました。
そこで、それらの意見をまとめる新しい画期的な発案がありました。
それが「segwit2x」です。
2. segwit2x登場
segwit2xとは、8月にまずはsegwitを導入して、そのあと11月にブロックサイズを引き上げよう(ハードフォークしよう)という折衷案です。
この意見が登場して、もめていたマイナーや開発者たちもとりあえず賛成という形になり、分裂問題は免れました。
そうなんです。一度は免れたはずなんです。
免れたのに、ギリギリになっていきなり出てきたのがビットコインキャッシュなんです。
3. まさかのビットコインキャッシュ登場
segwit2xの登場により、本来恐れられていた月の分裂騒動は落ち着いたのですが、そのタイミングで今度は中国のでかいマイニンググループが、「segwitするの嫌だから俺らはハードフォークを起こして、新しくできた通貨をマイニングするよ」と表明してきたんです。
パワープレイですね。
で、結果本来危惧されていたフォークとは別の形でハードフォークが起こり、ビットコインキャッシュという新しい通貨が誕生しました。
これがビットコインキャッシュの大まかな流れです。
次は11月に分裂するってホント?
ここまでの説明で気づいた人もいるかもしれませんが、本家ビットコインは「segwit2x」進行中です。
ビットコインキャッシュの登場とは関係なく(ビットコインキャッシュはsegwitを導入していません)、本家ビットコインは予定通り8月にsegwitが導入されたので、このままいくと次は11月にハードフォークが起きる予定なんです。
内容としてはブロックサイズは現在の「1MB→2MB」にするというもの。
もし、予定通りいくと、さらに本家ビットコインが2つに分裂することになります。
ただ、これは絶対にすると決まっている訳ではなく、しない可能性も十分にあるので早とちりしない方がいいです。
分裂しない可能性も
予定では「11月にハードフォークする」となっていますが、僕はしない可能性の方が高いんじゃないかな?と思っています。
理由はビットコインキャッシュが誕生しているからです。
「ん?それなんか関係あるの?」と思うかもしれないので少し整理してみましょう。
もともと対立のきっかけとしては、
- ハードフォーク派(ブロックサイズ引き上げ派)
- segwit派(ブロックサイズはそのまま派)
という二つの意見がまとまらなかったからですよね?だから折衷案のsegwit2xが出てきたんですよね。
で、現状結果としては、「ブロックサイズが8MBに引き上げられたビットコインキャッシュ」と、「segwitが導入された本家ビットコイン」と二つ存在しています。
なら、「もともとのハードフォーク派はビットコインキャッシュをマイニングして、そうじゃない人は本家ビットコインをマイニングすれば万事おっけーじゃん?」ということです。(言い忘れていましたが、ビットコインの仕様変更でマイナーが揉めるのは、マイニング報酬が変化するからです)
そもそもハードフォークはリスクを伴うので、ブロックサイズが引き上げられたビットコインキャッシュが誕生して、コミュニティがしっかり生成されている今、「リスクもあってコミュニティがしっかり生成されるかどうかもわからないsegwit2xを無理にやる必要は無いんじゃないか」と。
実際、巷でもそのような噂は流れています。
11月に2MBハートフォークを行い分裂予定の #SegWit2x のクライアントであるbtc1のデベロッパーはなんとJeff Gazik一人で開発を行っており、対して #ビットコイン コアは400人を超えるデベロッパーが開発。2xは既に2ヶ月も開発が止まっています #仮想通貨 pic.twitter.com/fAB7O76Q8H
— 墨汁うまい(Bokujyuumai) (@bokujyuumai) September 19, 2017
一人ってやばく無いですか?無理でしょ(笑)
速報:コアデベロッパーやマイニングプール運営者などが参加し、パリで行われたBreaking BitcoinカンファレンスでマイニングプールのBitfury CIOは「11月の2MBハードフォークが起こらないことを望む」と発言 #ビットコイン #仮想通貨 #Bitcoin https://t.co/sclXzvlUHS
— 墨汁うまい(Bokujyuumai) (@bokujyuumai) September 11, 2017
速報:マイナーは11月の2MBハードフォークを行う必要はないと発言 #ビットコイン #仮想通貨 #Bitcoin $BTC #ブロックチェーン #NO2X #SegWit2x https://t.co/CQ2upPoEWy
— 墨汁うまい(Bokujyuumai) (@bokujyuumai) September 11, 2017
↓ライトコインの開発者であるCharlie Leeも反対しています。
I am against Segwit2x hardfork in November due to 3 reasons:
– lack of urgent need
– lack of replay protection
– lack of consensus#no2x https://t.co/gnS1n3t5Ds— Charlie Lee [LTC⚡] (@SatoshiLite) September 6, 2017
まあ、といった感じで、11月にハードフォークしない可能性も十分に有ります。
もちろん、する可能性も0ではないのでなんとも言えませんが。(笑)
とりあえず、しばらくは様子を見守りましょう。
分裂したら価格はどうなる?
では予想を覆して、もしそのままハードフォークしたら価格はどうなるんでしょうか?
まず、間違いないく乱高下は起こります。
これはイーサリアムのハードフォーク、ビットコインキャッシュ誕生時のハードフォークのチャートを見れば分かりますが、とにかく変動が激しくなります。
で、個人的にはもしもハードフォークしても、下落はあるとは思いますが結局は上昇していくと予想します。
ビットコインキャッシュの時も、イーサリアムクラシックの時も、どちらも本家のコインは結局すぐ上昇して、分裂前よりも価格を上昇させていますしね。
引用:coingecko
なので、すでにビットコインを保有している人は気長に長期保有でいいんじゃないかなぁ..と。まあ現段階の予想ですが。
あとは、もしsegwit2xが風化していく場合、風化すればするほどビットコインキャッシュの価格が上昇するかもしれません。
もともとブロックサイズ引き上げ派だった人間が、「11月に本家ビットコインがハードフォークしないなら、ビットコインキャッシュを掘るか」と風向きがそっちに流れる可能性があるからです。
これから1.2ヶ月はビットコインキャッシュの動向にも注目ですね。

ビットコインもビットコインキャッシュもbitbank.ccから買えるので、まだ保有していない人は少額でも購入しておくのがいいかもしれません。

まとめ
いかがでしたか?
今回は8月1日に起こったビットコインの分裂、次に起こるかもしれな11月のビットコイン分裂問題に関して解説しました。
現状、 11月にはハードフォークしないんじゃないかと予想していますが、分裂する可能性は0ではありません。
動向を見守っていきましょう。
今後も随時情報を発信していきますね。