- 自分では節約家のつもりだが、友人からはケチだと言われる。
- キッチリ割り勘をしようとして、「細かすぎる!」と揉めたことがある。
- 「もっと安く買えるかも」と思うと、生活必需品でも買い渋ってしまう。
この記事をご覧のあなたは、こんなふうに「異常にお金を使えない」という事に悩んでいるのではないでしょうか?
人それぞれ価値観は違うので、ほとんどの場合は問題ありません。しかし、それが異常なレベルにまで達してしまい、自分でも困っているという方もいるかもしれません。
中には、他人との価値観の違いに悩んでいる、という方もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、「人がお金を使えなくなってしまう現象」について、心構えや対策、解消法などをお伝えしていきます。ぜひここで得た情報を参考に、今後に活かしてみてください。
節約・倹約は、決して悪いことではない
いわゆる「浪費家」が、知り合いにいないでしょうか?浪費家は、節約を旨とするあなたとは真逆の性質をもっています。
特典を目当てに同じCDを大量に買う。見栄を張るために何十万円もするブランド物をいくつも買う。お菓子や玩具を「大人買い」する。
趣味の範囲ならば差し障りないですし、そもそも他人のお金の使い方に、第三者が口出しするものではないでしょう。ですが、自らの経済能力を大きく逸脱し、借金や生活苦を抱えてまでお金を使ってしまうのは大問題です。
浪費癖は、人生を台無しにしかねない、恐ろしい病気(依存症)の一種なのです。
そんな浪費家に比べれば、「なるべくお金を使わない」ことを選んでいるあなたに、なんら落ち度はありません。大前提として「お金を使えないんだよなぁ」と悩んでいるとしても、それほど心配しすぎることはない、と覚えておきましょう。
貯金が趣味…って、退屈な人?堅実な人?
友人と一緒に買い物に行くと、あなたのあまりのお金の使わなさに「何か趣味とかないの?何にカネ使ってるの?」という話題になることがあるかもしれません。
みなさんのなかには、「自分は、貯金が趣味だな」と思っている方もいるのではないでしょうか。かつてのバブル期なら、それはもしかしたら、「退屈な趣味」だったかもしれません。
しかし現在は、日本経済の閉塞感や、話題となった「年金不足問題」にもあるように、誰もが金銭的に不安を抱える時代です。結婚相手に求める貯金額の平均は、「200万円~400万円」というニュースもあります。
したがって、「節約して貯金する」というのは、かつてに比べて「立派で堅実な趣味」としての認識を強めているのではないでしょうか。少なくとも貯金ができるだけの金銭感覚をもっていることは、男女ともに求められている能力であるのは間違いありません。
「大きな買い物ができる」なら大丈夫
いくら「節約できるのはいいことだ」と言われても、知人から「ケチだ」と評されるのは悔しいのではないでしょうか。
ですが「大きな買い物ができる=高額の物を買える」なら、まったく問題ありません。素敵な家具を買ったり、乗りたかった新車を買ったり、海外旅行へ行ったりなど、「何か目的があって節約している」というのは、まったくもって普通の感覚です。
本来は、会社のどうでもいい飲み会に出たり、行きたくないイベントに付き合いで参加したり、欲しくもない物を買っている余裕も暇もないはずです。
あえて口に出す必要はありませんが、あなたの金銭感覚を揶揄してくる人がいたとするなら「自分とは全然違う価値観なんだな。」「もっといい物を買ったら楽しいのにね。」と思っておきましょう。
「使わない」のではなく「使えない」のなら下記をチェック
これまでご紹介してきたのは、「理由があってお金を使わない」「そういう性格なだけで、問題ない」というパターンでした。
ですが、浪費癖が病気であるのと同じように、過剰な節約・倹約も病気である可能性をもっています。
「自らの意思で、お金を使わない」のではなく「本来はお金を使わなければいけない状況なのに、なぜか使えなかった」という状況に心当たりがあるなら。
そんな方は、ぜひ以下をチェックしてみてください。
まず疑うべきは強迫性障害
強迫性障害では、自分でもつまらないことだとわかっていても、そのことが頭から離れない、わかっていながら何度も同じ確認をくりかえしてしまうことで、日常生活にも影響が出てきます。意志に反して頭に浮かんでしまって払いのけられない考えを強迫観念、ある行為をしないでいられないことを強迫行為といいます。
強迫性障害
このように、「自分でもわかっているのに、どうしようもない。」「そのせいで、日常生活に影響が出ている。」という状態を強迫性障害と呼びます。
例えば、ただ節約しているだけなら、周囲も笑って許してくれるでしょう。もしかしたら「ケチなキャラ」をいじられるかもしれませんが、仲のいい有人同士であれば、そんな性質も受け入れてくれるはずです。
ですが、割り勘をキッチリしすぎるあまり0.5円を誰が払うかで口論したり、プレゼント交換会に何も持っていかなかったりといった「ケチすぎる様子」は、不信感を生んでしまいます。
このように「社会生活上、必要な場面でもお金を使えない」としたら、それは強迫性障害の可能性があります。
以下に当てはまるなら要注意
- 必要な日用品を買うことを、もったいなくて躊躇することがある
- 不快な温度でも、冷暖房をつけない
- 親しい人でも、プレゼントやお土産を買うのに抵抗がある
- 好みではなくても、値段が安いことを理由に選ぶことが多い
- 食費は限界まで切り詰めたい
- 遊びの場でも、交通費がかかることが気になる。自分が遠方の場合、不公平を感じる
- お金を使うこと自体に罪悪感がある
- 贅沢品は絶対に買いたくない
- ムダな買い物をしている友人を許せなく思う
インターネット上では「お金使えない症候群」とも呼ばれることがある、この状態。もし上記の項目にたくさんの心当たりがあるなら、少し金銭感覚を見直したほうが無難かもしれません。
トイレットペーパーが切れているからA店に買いにきたのに、B店でもっと安く買えるはずなので買わなかった。しかもB店は最寄駅から3駅離れているので、その日は買わずに家に帰り、明日自転車で1時間かけて行くことにした。
こんな状態は、強迫性障害である可能性が高いと言えるでしょう。
どうしてもツラいなら、直す方法もある
実は筆者も、かつて強迫性障害に悩まされていたことがありました。家の戸締りやガスの元栓が気になってしまい、外出前の戸締り確認に30分以上かかってしまっていたのです。
しかも気になるとどうしても確認したくなり、出発した後でも何度も戻って確認し、その度にまた30分の確認をしていました。
さすがに日常生活に支障が出たので医師の診察を受けたところ「まず、ちょっとムリして確認しないこと」をオススメされました。すると、最初は気になるのですが、だんだんと慣れ、今では普通に生活できるようになりました。
先ほどの厚生労働省のページにもありましたが、治したいなら「まず、ちょっとムリしてみる」と良いでしょう。数十円の違いなら、家の近くで買い物をしてみる。友達へのプレゼントに、ちょっといい物を選んでみる。いつもは食べない豪華な食事にしてみる。
中には、「無価値だと思う物には一切お金を出せない」という方もいるかもしれません。そんな方は、少しは価値を感じて買っている物を、いつもより少し品質が良く高価な物に変えてみるといいでしょう。
自分のなかでの線引きが大事
どこまではお金を使ってもOKか。どこからがNGか。
「お金をいくらでも・何にでも使ってもOK」のほうに振れすぎると「浪費家」になってしまいます。「お金を使うのはいくらでも・何にでもNG」のほうに振れすぎると強迫性障害になってしまいます。
ですので、このOK・NGの線引きが大切です。自分にとって適切な位置で線引きができてさえいれば、むしろ節約家・倹約家のほうが有利なのではないでしょうか。
本来、お金は「貯めること」が目的ではないはずです。何に、いつ、どのように使うのか。その点がもっとも重要なはず。もう一度そのことを思い出して、楽しい節約生活を送ってください。
まとめ
いかがでしたか?今回は、「自分は、あまりお金を使えないほうだな」と感じたときに知っておいてほしい情報をお伝えしました。
- 基本的にお金の使い方は個人の自由
- 節約家・倹約家であることは悪いことではない
- 「ここぞ!」というところで使えるなら、まったく問題ない
- 人間関係がギクシャクしないように、適度に使い方を決めると良い
- それでも「不安で全然お金を使えない」なら、強迫性障害の可能性もある
お金が使えない、と感じたときは、ぜひ以上の5点を思い出してください。