第30位:藤圭子
藤圭子は、「新宿の女」などで人気を博した演歌歌手であり、宇多田ヒカルの母親です。彼女は2013年に、都内で倒れているところを搬送され、搬送先の病院で死亡が確認されました。享年62歳。自宅マンションからの飛び降り自殺と判断されました。
1988年ごろから、藤圭子は精神疾患を患っていましたが、歌手活動は継続していました。1998年に、娘の宇多田ヒカルが15歳で鮮烈なデビューを飾った後、本人は徐々にステージに立つ機会は減ります。彼女なりの世代交代の考えだったのかもしれません。
藤圭子の葬儀は、本人の遺志に沿う形で宇多田父子が火葬に立ち会う直葬で行われます。遺灰は海に散布され、お墓はありません。
精神的に落ち込んだ宇多田ヒカルですが、妊娠していずれ出産することが決まった時、曲を新たに作る覚悟を固めました。2016年4月にリリースされた「花束を君に」は、亡き母である藤圭子に向けたもの。「亡くなった人に手紙を書く」という行程を、曲で行なった形です。
世界中が雨の日も
君の笑顔が僕の太陽だったよ
今は伝わらなくても
真実には変わりないさ
抱きしめてよ、たった一度 さよならの前に花束を君に贈ろう
花束を君に
愛しい人 愛しい人
どんな言葉並べても
君を讃えるには足りないから
今日は贈ろう 涙色の花束を君に
どんなに言葉を尽くしても足りない。だからこそ、涙色の花束を贈る。この歌詞全てに宇多田ヒカルの才能と、藤圭子を偲ぶ気持ちが凝縮されています。藤圭子は亡くなったものの、彼女の才能を受け継いだ娘が、また新たな名曲を創り出してくれるのではないでしょうか。
第29位:鷹野日南
鷹野日南は、アイドルグループ「KISS Bee」の初代リーダー。彼女は、2020年7月10日に20歳の若さで亡くなりました。所属事務所は死因を公表していませんが、SNSでは自殺説が囁かれていました。Wikipediaで一瞬だけ「コロナが死因」と記載されたものの、こちらはデマとされています。
急逝する当日、鷹野日南はTwitterに「みんながいてくれたからここまでこれたよありがとう」と意味深なコメントを投稿。急逝前日のInstagramでは、バラのドライフラワーとタンポポを投稿しています。
バラの花言葉は「永久に」などがあり、ヨーロッパではお墓に添える風習があります。タンポポの花言葉は「離別」という意味があり、前日のInstagramもまた意味深ではありました。前日当日の投稿から、鷹野日南は自殺する覚悟を固めていたのかもしれません。
また2020年5月23日には、テラスハウスの木村花がSNSの誹謗中傷が原因で自殺。鷹野日南は、4日後に「誹謗中傷とかされる側としては、当たり前すぎて何も思わなくなった」という投稿をしています。彼女もまた、日々誹謗中傷を受けていたのかもしれません。
なお彼女が在籍していたKISS Beeは現在も活動を継続中。2023年7月9日には新たに5人がメンバーとして加入。彼女の死をバネに活動を続けています。